トリプトファンの摂取量の目安

トリプトファンは、健康な人の一般的な摂取量と、不眠やうつ症状を改善したい人では摂取するべき量が違っています。気分や体調も万全で、夜もよく眠れている人が健康維持のために摂取するなら、体重1㎏あたりおよそ2㎎程度を摂取するように心がけましょう。体重50㎏の人なら1日100㎎、70㎏の人なら1日140㎎程度を目安とします。

一方、不眠に悩んでいる人や、うつ症状を改善したい人の場合は1日に500㎎~1000㎎を目安に積極的に摂取し、併せて太陽光やリズム運動も取り入れましょう。

トリプトファンの効果的な摂取方法

トリプトファンは朝食で摂取
食事をとるとさまざまなアミノ酸が体内に取り込まれます。トリプトファンもアミノ酸の1種であり、摂取したトリプトファンがセロトニンの材料となって使われるには、速やかに脳内に運ばれる必要があります。

ところが、体内にさまざまな食べ物がある状態では、他のアミノ酸が優先的に脳内に運ばれてしまい、トリプトファンは後回しになります。他のアミノ酸との競争を避ける意味でも、トリプトファンは空腹時に摂取した方が効率が良いのです。

朝食との間隔が短い昼食や、おやつなど間食を挟んだ後の夕食でなく、胃に何も入っていない状態の朝食でトリプトファンの摂取をするのが望ましいといえます。

また、セロトニンの材料となるトリプトファンを摂取したのち、太陽の光を十分浴びるとセロトニンの生成に効果的です。このようなことから、トリプトファンは朝食で摂取するのがベストなのです。

動物性たんぱく質は炭水化物、ビタミンB6 と一緒に摂取
トリプトファンはたんぱく質の多い食品に含まれますが、動物性たんぱく質からこの成分を摂取する際にはちょっとしたコツがあります。動物性たんぱく質にはBCAAというアミノ酸が含まれ、脳にトリプトファンを送り込むのを邪魔するのです。

ただし、動物性たんぱく質(=トリプトファン)とともに、炭水化物とビタミンB6 を摂取すると、BCAAが筋肉のために使われるので、無事にトリプトファンが脳に運ばれることになります。動物性たんぱく質は、ビタミンB6、炭水化物と一緒に摂取するようにしましょう。